ひとり
ただ流されて、受けとめる現実がぼやけているのか。
思いの外、今は波打つものが無い。
乱反射に目が眩むこともない。
昔みたいに明け方まで絵を描いていたり、ネットワークでのみ知る人達と言葉を交わしたりしている。
距離感は様々で。
守る領域を測り間違えたり、遠くあると感じる言葉が思いの外近くにあったり。
絵について話をすると、一部の人を傷つけることになったり。
同じような経験を越えてきた人には普通に受けとめられる言葉も、意識や姿勢の異なる人には棘を持つ。
嫌われたり、避けられたりも、する。
でも、そうした弱度に配慮しながら話をする気にもなれない。
描き続けるということは結局、孤独に内側に向かうしか無い。
どんなに好きな、尊敬する、魅力的な絵を描く人であっても、ひとつになれる訳ではない。
「その」部分は、遠く離れ、触れることができない星空を見ているようなものだ。
近くとも、交わることの無い軌道を廻る惑星。
毎夜小さな輝きを、言葉越しに見ている。
その輝きに照らされ、僅かな光を頼りに、描かせてもらう。