らせん


何時かの風の強い日。


雲の切れ間から時折覗く太陽を眺める。

その周りを何層かの雲が渦を巻くように流れ。

それを見上げるうちに平行感覚を奪われ、立ち眩みのような感覚を覚える。

一歩たじろぐように後ろに下がり、足下に視線を移し肉体の感覚を取り戻す。




そのひとのこころのゆらぎにふれる。



それを見つめる自らのこころも、そのゆらぎに引きつけられるように。

波紋が届き、打ち返す波のように、こころがゆらぐ。


今、自分はこころを震わせてはいけない。


静かな、鏡のような水面のように、そのひとを映す。


それが、今自分のすべきこと。